第14回目のGSG国内諮問委員会でした
今日は第14回目のGSG国内諮問委員会(G8社会的インパクト投資国内諮問委員会)でした。
発足当初から参加させて頂いている国内諮問委員会。
日本の国内諮問委員会は現在、概ね半年に1回のペースで開催されています。
GSG本体も、G8から広がり、現在は20を超える国と地域が参加するネットワークに成長しています。
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昨日は、大阪で開催されるG20に向けたアクションの共有や、つい先日発行された2018年版の社会的インパクト投資のマーケットレポートの報告、ソーシャルエクイティファイナンス部会の報告など。
私からは、現在執筆中の「社会的インパクト投資の拡大に向けた提言書2019」について、進捗状況を共有させて頂きました。
前回の提言書は2015年度の5月に発行しました。今から4年前の話です。
執筆するのに半年以上かかっていますので、そこに書いてある話は2014年当時の内容です。
休眠預金等活用法はなく、SIBはパイロット事業に過ぎず、社会的インパクト評価って何でしたっけ?という時代でした。
それから5年。技術革新が加速し、人口減少と人口構造の変化、そして過疎と都市化が進展する中で、社会的インパクト投資に何ができるのか。
新しい価値観に基づく消費経済の動向が広がる中で、求められる金融の姿は何か。
社会的インパクト投資が抱える、認知の不足、プレーヤーの不足、実例の不足という、3つの「足りなさ」を、どう反転させていけるのか。
そんなことを考えながら、提言書の執筆にかかっています。
社会的インパクト投資は確実に盛り上がっており、マーケットそのものは拡大傾向です。
一方で、「インパクトウォッシュ」という言葉に象徴されるように、「何をもって社会的インパクト投資とするのか」「本質的なインパクトとは何か」が問われ始めている局面にも差し掛かっているのだと感じます。
2000年代からずっと、ソーシャルファイナンス、コミュニティ投資、オルタナティブ金融を通じて「金融が社会を良くするためにできること」を考え、「そのためにプレーヤーを広げる方法」を及ばずながら自分なりに考えてきたわけですが。
インパクト投資がPlace-based financeと出会っていく過程、ESG投資が広がっていく過程、そしてメインストリームの金融へと接近していく過程で、培ってきた概念を陳腐化させずに、市場の多様性と成長を促していけるのか、まさにいまそれが問われているなと感じている次第です。
提言書を通じて、日本の社会的インパクト投資のエコシステムの姿と、「日本の社会課題解決は、世界の課題解決につながるのだ」ということを表現できるよう、引き続き試行錯誤していきたいと思います。