伴走支援とコミュニティ財団の運営/「市民ファンド・コミュニティ財団の運営強化戦略を考えよう」研修会
■研修会に参加
全国各地の市民ファンド・コミュニティ財団の皆さんとご一緒する研修会でした。
場所は代官山ヒルサイドテラス(ヒルサイドウエスト)。建築家の槇文彦さん設計、旧朝倉家、ね。
ヒルサイドウエストにお邪魔したのは初めてでしたが、お部屋の中からも木が風にそよぐ様子が見えて、とても良い空間でした。少しだけ空間に影があって、確かに落ち着いて仕事ができるな、と。
今回の研修プログラムは、「市民ファンド推進プログラム」の一環として実施されています。
市民ファンド推進プログラムとは、トヨタ財団の助成を受けて、市民社会創造ファンドさんが実施しているもの。
私は、プログラムを作る「アドバイザリー委員」と、助成先を選ぶ「選考委員」の両方を担わせていただいています。
いずれの立場でも最年少の若輩者ですが、こうしてお声がけ頂けることは有り難いことです。
■今日のお題
今日の研修会のテーマは「市民ファンド・コミュニティ財団の運営強化戦略」。
4つの助成先の活動をシェアして頂いた後、それを題材にしながら、「市民ファンド・コミュニティ財団の運営基盤強化」について、参加者とともにディスカッションを行いました。
私は第1グループ、ちばのWA地域づくり基金(千葉県)が取り組む、「伴走型支援プログラムと成果指標の体系化のための組織基盤強化」のファシリテーター役を担わせていただきました。
■「伴走支援」
ファシリテーター役を担っていて、改めて感じたのは「伴走支援」の「伴走」イメージには、人によって相当な差があるということ。当たり前といえば当たり前なんですが。
ちばのWAさんの活動をベースに、グループでは、「事業戦略策定」、「資金調達支援」、「事業実行支援」の3つの段階に便宜的に分けて話しましたが、これもあくまでもジャストアイデアという感覚もあり。もう少し整理したいところ。(間違ってはいないけど、普遍的な区分けかと言われるともう少し考えたいなと。)
途中、個人ワークをする時間もあったのですが、「支援」を考える上で、自分の中では、「支えあう生態系を育む」ことの価値の重さが内面化されているなあという気づきもありました。
(個人ワークで描いた画。指定されたデフォルトのシートでは真ん中のお花のみだったんだけど、いやいや、お花が沢山咲くと、知らないうちに、花同士が支えあったり励ましあったりし始めるよね、と。これきっと社会起業塾や世田谷まちづくりファンドの影響です。)
もう一つ、グループの中でシェアされたことは、次の3つ。
1.「1回やってみる」ことの大切さ
ちばのWAさんはまさに、伴走支援にチャレンジされているわけですが、当たり前だけれど「1回やってみる」ことで理解できることが多いということ。
全国のコミュニティ財団・市民ファンドは程度の差こそあれ、皆試行錯誤しながら運営されていて、伴走支援の形もきっと様々なのだと思います。今回千葉の話を聞いていて、ロジックモデルつくってみたり、成果指標を設定してみたり、いろんな試行錯誤の経過を感じました。
学習の効率性はもちろんあるけれど、打席に立たないとわからないことも多いから、まずはトライトライトライ。鉄板はあるけど、正解はないからこそ。
2.「エリア全体を俯瞰すること」の大切さ
市民ファンド・コミュニティ財団はどこも「ないない尽くし」なわけです。
ごく限られたケース以外は、お金も少ない、人も少ない中で立ち上がっていることが多数。だからこそ、エリア(都道府県単位であれば都道府県、という意味)を見渡して、支援する先の団体・地域にとって最適な支援者がだれか、俯瞰できる視野を持つことが大切だなあと。
3.「手放す、ゆだねる、つなぐこと」の大切さ
そしてうまく手放すことも大切だね、と。責任を放棄するのではなく、時期やステージ、内容によって、最適な支援者に繋ぎ、さらなる成長を応援する。だって、課題は多く、圧倒的に多くの人や団体や地域を応援しなければこの先の地域の変化に間に合わない、から。
そんなことを話していました。
■市民ファンド・コミュニティ財団を支える4つの要素
最後にコメントされた、山岡先生の図。
確かにね。と。
会場内も納得感で満たされていたような。
1.資金調達・開拓する力(ファンドレイザー)と
2.資金を活用する力(プログラムオフィサー)と
3.資金を管理する力(ファンドマネージャー)と
4.社会や地域を巻き込む力(ネットワーカー)と。
それぞれが満たされて初めて、市民ファンド・コミュニティ財団が力を発揮できる気がする。
それに例えば財団の中のスタッフが、自分はどこのポジションを守っているんだろう、と考える上でも良い図だな、と。(もちろん殆どの場合は人が少なくマルチタスクなんですが。)
そんな、改めての気づきが多い一日でした。