【登壇しました】休眠預金事業活用シンポジウム2024
10月8日(火)に開催された休眠預金事業活用シンポジウム
「学びと価値の共有 ~総合評価から見えてきたこと~」に登壇しました。
「休眠預金の総合評価を行いたい。ついては執筆や取りまとめのリード役を依頼できないか?」
そしてこの春、約150ページを超えるレポートを、世に送り出してから約半年が経ちまして。
シンポジウムを通じ、改めて検討結果を社会に還元する。そんな機会を頂きました
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シンポジウムでは、なんと200人を超える方々が視聴して下さっていたとか!
(ちなみにオンラインと現地開催のハイブリッド型でした)。
たくさんの方々に見て頂き、有り難い限りです。
自分としては、本当の意味で「成果を社会にお戻しする機会」に恵まれたような気がします
休眠預金は、全体の流通額が大きく、採択件数もとても多いです。
助成(予定)総額は2019年からの合計で約290億円、採択された実行団体の数は1,000を超えています。
また複数年助成であることから、内容は途中で変化し複雑です。
何より今回の総合評価は、制度開始初年度の2019年度から評価対象としたこともあり、制度の骨格や前提にも揺らぎがある状況でした。
今振り返っても、本当に難しい環境の中での、総合評価だったな、と思います。
一方、欲張りなことに作成の過程では、
「成果ばかりでなく、課題やぶつかった壁も振り返りたい」
「factを書くだけではなく、『なぜそうなったのか』を深掘りし、要因を明示したい」
「事実をベースとして、汎用性ある学びに昇華させたい」
と考えていました。
壮大な社会実験でもある休眠預金ですから、その「実験」が何を成しえて、どこが難しかったのか、分析することが大切だと思ったからです。
今回のシンポジウムでは、このエッセンスをぎゅっとお話ししました。
もちろん、お話しできたことは考察したことのごくごく一部ではありましたが。
シンポジウムの終了後、「総合評価をどんな風に読んだらよいか、理解できた」と言ってくださった方がいたそうです。(スタッフの方が教えてくださいました。)
そのことがとても嬉しかったです。
第1セッションでは、
・JANPIA理事でもある鵜尾さん(写真右)
・今回の取りまとめをご一緒した、JANPIAスタッフの根尾さん(写真左)
と共に登壇しました。
今回のシンポジウムで嬉しかったことの1つは、総合評価の執筆作業に粘り強くお付き合い頂いた、根尾さんと登壇出来たこと、です。
「考えをまとめ、表現し、磨き上げる」という作業に、最後までお付き合い頂けた根尾さんの存在なしには、成し得なかったPJであったことを、改めて記しておきたいと思います。
考える作業は、最後は必ず自分との戦いになるのです。
その苦しい戦いを、根尾さん始め、JANPIAの皆さんにサポートいただいたおかげで、乗り越えることができました。
最後まで突き詰めて考え、クオリティを追求できたことを、心から感謝したいと思います。
最後に、今回のレポートの特性をひと言で言うと、「当事者性」だと思います。
休眠預金は三層構造です。
指定活用団体がいて、資金分配団体がいて、実行団体がいる。
レポートでは、その「どこか」に要因を求めるのではなく、それぞれにとっての成果と課題を述べる形をとりました。
(なお今回のレポートの発行主体は、「指定活用団体であるJANPIA」さんであり、私が第三者的に評価したものではありません。)
そうした立ち位置を意識し、資金分配団体・実行団体を一元的に「評価する」立場ではなく、制度そのものを振り返り、それぞれが当事者として何をしていくべきなのか、述べる形を採っています。
それが象徴的に表れているのが、レポートの最後にある「JANPIAとして考えるべき、残された課題」の部分です。
制度を運用する上で、重要な役割を担うJANPIAだからこそ、乗り越えていくべき課題がある。
そう捉えた上での、レポートの構成だと言えます。
上記の写真は、登壇者全員での集合写真です。
第2セッションでは、資金分配団体である日本更生保護協会さんと、担当者であるJANPIA側のPOも登壇されました。
更生保護協会さんの休眠預金預金事業については、こちら。https://www.kouseihogo-net.jp/hogokyoukai/exercise.html
とてもリアルなお話を聞かせていただき、総合評価の内容をぐっと、現実に引き付けてくださったと感じました。
総合評価そのものは、JANPIAのwebサイトに公開されていますので、皆さまよろしければどうぞお読みください。
https://www.janpia.or.jp/…/download/sougou_hyouka_02.pdf
考えることや何かの「論」を述べることは常にしんどく、苦しいことですが。
それでもこの先も、知の蓄積と社会還元をさぼらずに、しっかり続けていきたいなと思います。