Vol.1:SOCAPとは?-概要、雰囲気、運営の様子/サンフランシスコ滞在

■サンフランシスコ滞在

サンフランシスコに暫く滞在していました。移動含めて概ね2週間ほどでしょうか。

成田からSan Francisco International Airportへ。概ね11時間のフライト。

ゴールデンゲートブリッジ。この日は運よく快晴でした。

今回は、業務上の企業訪問と、Impact Investmentに関する世界的なカンファレンスの一つであるSOCAPへの参加を合わせての滞在でした。

滞在時期がSOCAP開催時期に偶然一致していたことに加え、国内での予定がひとつ偶然無くなったことから、比較的長期の滞在になった次第です。

ご依頼頂いた業務のことはもちろん記載できないわけですが、帰国後数人の方に「SOCAPの話を聞きたい」と言っていただいたこともあり、せっかくなので自分が感じたことをご紹介したいと思います。

*なお、SOCAPに日本から参加された経験のある方は他にもいらっしゃると思います。
また、私自身は冒頭で書いた通り別の仕事もあり、全日程に参加したわけではありませんので、SOCAPの全体像を表すものではありません。
あくまでも一経験のシェアとしてご覧いただければと思います。将来参加する誰かのお役に立てば嬉しいです。そして自分の学びへの昇華のためにも。

記事は複数に分かれています。少しずつアップしていきたいと思います。

<本記事について>
こんな感じで書いていきたいと思います。途中で変更するかもしれませんが。

Vol.1:SOCAPとは?-概要、雰囲気、運営の様子←今回の記事です

Vol.2:セッションまとめ その1/コミュニティ開発・支援の文脈との接近

Vol.3:セッションまとめ その2/Bridging the Missing Middle

Vol.4:今回の滞在を通じて感じたこと(その1):エコシステムの作り方

Vol.5:今回の滞在を通じて感じたこと(その2):成長速度、多様性、包摂、そして日本は?

では、まずはSOCAPの全体像についての説明です。

SOCAPのメイン会場、エントランス付近

メインステージ裏側のソファエリア

■SOCAPとは

SOCAPとは、Social Capital Marketsの略です。https://socialcapitalmarkets.net/

2008年にスタートしたネットワークで、これまでの参加者の延べ人数は2万人とのこと。ここ最近では毎年3,000人ほどが参加しているそうです。

■参加者属性

参加者の属性は

‐投資家
‐起業家(投資先など)
‐財団関係者
‐その他(social impact leadersなんていう言い方がされています)

などです。
https://socialcapitalmarkets.net/about-socap/

■今回参加したカンファレンス

今回参加したカンファレンスは、SOCAP18です。

SOCAPはある種のネットワーク組織だと言え、その中のフラッグシップイベントがSOCAP〇〇(〇の中にはその年を表す数字が入る)ということになります。

https://socialcapitalmarkets.net/socap18/

現在のCEOはLindsay Smallingさんという女性です。SOCAPに関わって6年目とのことで、オープニングプレナリーで司会役を担われていました。

SOCAPのCEOからのオープニング挨拶。メインステージにて。

 

メインステージ、客席側

■会場

会場となっているのは、Fort Maison Center という場所です。

ArtとCultureの拠点で、古い倉庫をリノベーションした一連の建物からなっています。https://fortmason.org/

Fort Maison Centerは観光地としてお馴染みのフィッシャーマンズワーフから徒歩で10分程度、National historical エリアの中にあります。

フィッシャーマンズワーフ側の丘から、Fort Maison Centerを見下ろしたところ。

会場からは、サンフランシスコの観光名所になっているアルカトラズ島が良く見えます。軍事要塞であり連邦刑務所として使われていたこともある島ですね。

真ん中あたりに見える小島がアルカトラズ島。岸から2.4キロの海上にあります。

会場内にはいくつもの建物があり、セッションごとに参加者が地図をみながら場所を移動する形になります。

メインのパビリオンは、オープニングプレナリーやクロージングセッションが開催されていて、常に人が出入りしている状態です。

この時はちょうど、セッションの合間。建物の外のベンチでたくさんの方がコミュニケーションしています。

会場の一部。メインパビリオンとは別の建物です。奥にはゴールデンゲートブリッジが見えます。

■期間

今回は4日間の開催でした。

火曜の午後からスタートして、金曜に終了する形です。

火曜はオープニングプレナリー
水曜はWine Down
木曜はFood Track

と、夜遅くまで参加者相互でコミュニケーションを深めています。

サンフランシスコ滞在をご一緒したWITの山本未生さんと。WIT:http://worldintohoku.org/

■チェックイン

会場に到着したゲストは全員、チェックインカウンターで名札を貰います。参加費が高額ということもあり、passは比較的厳しくチェックされます。

チェックインカウンター周辺。まずはpassをゲット。

Registration。スポンサー枠は別の受付になっています(右端)この対面側にボランティア参加者用のカウンターがあります。

■参加登録

SOCAPの申し込みはオンラインから行います。

専用ページからクレジットカードで決済すると、主催者から参加者用のWEBのリンクが送られ、そこからログインしてマイアカウントを作成します

アカウント登録の際に、自己紹介やバックグラウンド、関心エリアや現在活動している国や地域などを入力します。

アカウントには写真も登録するため、視覚的にかなりバラエティに富んだ参加者がいることが実感できます。

またキーワードで検索することができるため、例えば日本から来た人(JAPANという言葉をアカウント内で使っている人)がどのくらいいるかを確認することもできます。
(ただ単なる検索なので、登録者自身が「JAPAN」という文字を記入していない限り、ひっかからないわけですが。)

 ■セッション数

セッション数は

・初日と最終日は半日開催かつオープニングやクロージングがあるので10セッション程度
・終日開催の2日目・3日目はそれぞれ1日あたり60セッション程度

用意されています。

つまり4日間で140ほどのセッションがもたれていることになるわけです。

当日のタイムスケジュールは受付でも配布されますが、セッション数が多いので事前にどのセッションに参加したいのか、スケジュールを組んでおく必要があると思います。

■事前の知識獲得とコミュニケーション

専用ページはPCから確認できますが、スマートフォン用のアプリもあります。

専用サイト(&アプリ)内では、「Full Schedule」と「My Schedule」のページがわかれています。

Full Scheduleから日にちや内容、時間帯ごとにセッションを検索して、気に入れば「add」をクリックすることで、自分の時間割をつくることが出来ます。これは地味に便利です。

参加者情報は専用ページから確認することができます。

スピーカーも参加者と同じように背景情報が掲載されているので、参加するセッションのスピーカーの背景や属性を簡単に調べることがあり便利です。

どんな団体か、どんなプロジェクトのことを話すのか、事前にウェブサイトを眺めるだけでも理解度が異なりますので。

また、参加者にダイレクトにメッセージを送ることもできます。

ですのでアカウントから背景情報を検索し、話したい方に対してメッセージを送付、会場内で待ち合わせてMTG、という使い方もできます。

これはセッション終了後に名刺交換の列を作るよりも良いなと思いました。

また会場が広く、会期も数日に亘るので、会いたい人に会うのは事前にコミュニケーションするのが適切だなと感じました。

私たちも事前にアポ打診して、会場内でヒアリングという使い方もしました。

セッションに参加した後、もう少し話したい人にメッセージを送る、という使い方もあると思います。

iPhoneアプリのhome画面

 

初日のタイムスケジュールを表示してみました。

 

スピーカー一覧はこんな形で表示されます。クリックすると個別の参加者情報にリンクする形です。この下には会場の場所情報と、keywords、attendees(セッション参加者)の表示が続きます。

■ボランティアの存在

SOCAPを支えているのは、母体となっている団体はもちろんですが、スポンサーとボランティアだと感じました。

会場のどこにいても、同じTシャツを着たボランティアが目につきます。その数はおおむね100人とのことです。

規定の時間数以上ボランティアをすると、参加費が免除あるいは減額される仕組みとのことで、ボランティアとオーディエンスの両方を兼ねて参加している方も複数みかけました。

■食事

会場内は常時食事が提供されています。

軽食(クッキーやクラッカー、ナッツやフルーツ)などの時間帯もあれば、

しっかりした食事の時間帯もあります。(朝食・昼食・夕食とほぼフルで用意されています。)

これらは概ねビュッフェ形式で、各自が取る形です。

参加者の多様性に配慮してかなりバラエティのある食事が提供されていますし、イベント属性からか、野菜中心でヘルシーです。

会場内で昼食。ビュッフェ形式の食事が提供されています。

別の日。この日はメキシカン中心でした。

 

また、2日目は「Wine Down」、3日目は「Food Track and Festivities」が開催されていました。

前者はワインを飲みながらのコミュニケーション、後者はフードトラックが出て、屋台のようなわいわいとした雰囲気です。こちらもハワイアン、メキシカン、イタリアン、チャイニーズなどバラエティ豊か。

木曜のフードトラック。10台以上は来ていたような??

夕暮れの中、みんなでわいわい食事。背景も国籍も違うけど目指すものは同じたくさんの方と話すことが出来て楽しかったです。

ドリンク類も会場内のあちこちに常時おかれています。コーヒー、デカフェ、紅茶、お水。マイボトル持参の方が多いのも参加者の特徴を表していますね。

Acre coffee, 美味。
https://www.acrecoffee.com/

夕方からはアルコールも提供されます。未成年ではないことを証明するため、IDの提示が求められ、確認が取れるとチケットを購入できる仕組みです(手首に成人である証明としてタグが巻かれます)。

■会場内の様子

メインパビリオンでは、無数に椅子やテーブル、ソファ席が用意されています。

再会を喜ぶ人、初対面の人同士のコミュニケーションに余念がない人などがひしめき合ってかなり賑やかです。

今回の訪問では、特定のテーマに合わせてお話を聞いたのですが、事前にSOCAPのアプリからダイレクトメッセージを送り、ご了解いただけた方に複数人お話を伺いました。

中日のセッションの合間。仕事をする人、食事を取る人、初対面同士で会話する人、などなど。

同じく会場内の様子

■ブース出展や会場展示、書籍や商品の販売

会場内ではスポンサーがブースを出展しています。また書籍販売のコーナーや、エシカルプロダクツの販売を行っている人たちもいました。

書籍販売コーナー

ベビーカーを押しながら参加する男性や、赤ちゃんをベビーキャリー(肩と腰でささえる抱っこ紐のことです)に入れて参加する女性・男性もちらほら見かけました。

その数は決して多くはありませんが、Nursing Loungeも準備されていて好感が持てました。

ベビーカーを押す男性。セッションにも参加されていました(写真は赤ちゃんの顔をぼかしています)

ここまで、会場の雰囲気をお伝えしました。

次に、参加したセッションで感じたことをまとめていきたいと思います。

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