本気で課題とニーズをつかむには?/トヨタ財団「しらべる助成」研修会でした。
2017年度の採択先情報が解禁になったので改めて記事をアップです。
本年度の助成採択先一覧
2017年度の採択先一覧はこちら!
http://www.toyotafound.or.jp/community/2017/
応募数:
「しらべる助成」171件
「そだてる助成」230件
「発信・提言助成」3件採択数:
「しらべる助成」16件
「そだてる助成」10件
「発信・提言助成」1件
狭き門をくぐり抜け採択された皆さま、おめでとうございます!
私は別件がありお邪魔できませんでしたが、新宿のハイアットリージェンシー東京で贈呈式も開催されました。全国から助成先が一堂に会する貴重な機会ですね。
しらべる助成 採択者向け研修会
さて、2017年度も担当させて頂いたトヨタ財団の「しらべる助成」採択者向け研修会。
今年も
「仮説を磨く」
「調査を学ぶ」
をテーマに、半日の研修を担当させて頂きました。
講座名はその名も
「本気で課題とニーズをつかみたい人のための調査設計入門研修」です。
しらべる助成とは
国内助成プログラム「しらべる助成」の目的は以下の通りです。
「地域課題の発掘やその解決に必要な調査、および事業戦略の立案など、本格的な事業を実施する前の調査を目的とするプロジェクトへの助成」
(詳細はこちら https://www.toyotafound.or.jp/community/2017/)
自分としては、
民間公益活動の担い手が、社会課題の解決に取り組む際に必要な
・課題の所在やその中身を正確に把握すること
・解決策/打ち手の確度を高めること
を支援するプログラムだと解釈しています。
事業を行う場合や、活動の成果を広げる場合は、「そだてる助成」や「発信・提言助成」にエントリーする、という前提ですね。
研修の狙い
研修の狙いは
- 仮説の磨き方を身につけること
- 社会調査の技法を知り、実践に役立てること
の2点です。
せっかくの助成期間を有効に活用するためには、
「自分たちが実現したい社会の姿とは何なのか」
「実現したい社会の姿と現実との差を埋めるためにはどんな戦略が必要なのか」
をできるだけ精度高く、分析する必要があります。
そのために調査の技術を知ると共に、「申請の作成を通じて団体が言語化した仮説」を再度見直し、研修終了後に即、アクションが取れるように留意しながら進めました。
研修でお話したこと
文字通り「明日から」使える知恵を盛り込むために、具体的には
・仮説を磨くコツやポイント、考え方
はもちろん
・自分が普段「しらべる」というアクションを取る際に心がけていること
・対象に向き合う際に行っている準備
(ツールや情報整理のポイント、具体例の提示などを含む)
を行うとともに
・トラブルになるリスク要因(注意したいポイント)
・失敗あるある(ここには気を付けて!)
なども交えながらお話しました。
全国から参加者が集結
今年度も全国から集まった採択者の皆さまが西新宿に集結。
能動的かつ前向きに、研修を受けて下さいました。
中には小さなお子様連れの参加者の方も。
研修会開催にあたっては、参加者の皆さんにあらかじめ申請書をもとに作業を行って頂きました。
こちらからワークシートを提示し、一定の宿題を行った上で研修会に臨んでいただくスタイルです。
研修会では、
- 事前作業を基に相互にディスカッションして頂く時間を設けたり
- 途中の演習でも、採択先団体に発表頂いたり
- 「惜しいポイント(こうするともっと良くなる)」や「あるある間違い」
- 「もう一歩踏み込むとこんなことがわかりそう」というコメントのフィードバック
などを行いながら進めました。
グループワークを多用したわけですが、これは、「自分のことを客観化して改善をするのは難しいが、他人のことはよくわかる」という人間の常を前提にしています^^
- 受け取ったインプットは言語化すると咀嚼しやすい
- 相手にコメントすることは「自分の気になっていること」の裏返しであることも多い
- 相手に「ここはこうしたら?」とコメントしたことは、結果として鏡のように自分に返ってくることが多い
と思っているからです。
熱量ある場に
受講生の皆さんが事前にしっかり宿題をこなしてきてくださったこともあり、相当な熱量のある場になりました。
こうしたスタイルの研修会は、毎回が予想できないQ&Aの繰り返しなので、こちらも鍛えられます。
また、どんな疑問が出てくるか想像を巡らせながら準備すること、そしてその予想を良い意味で裏切られ、お話する度に内容が進化していくことは、こちらにとっても大いなる学びの機会になっています。
研修終了後、採択団体の一つであるCloud Japanの田中さんから、可愛いジャムを頂きました。
気仙沼で空き家の活用をしながら子育てママの活躍の場をつくることを目指しているそうです。
皆さんの事業が1年間でどう変化するか。この先も楽しみです。