渋谷のラジオ(前半)/エンドオブライフ・ケアから考える、人生の最終段階に関わるということ
毎週第1火曜日にパーソナリティを務めている「渋谷のラジオ」。
新年最初のオンエアでは、1時間ずつ、お二人のゲストに登場して頂きました。
お一人目は「エンドオブライフ・ケア協会」の千田恵子さん。
千田さんは、ご自身のお父様を筋萎縮性側索硬化症、いわゆるALSで亡くされ、その3か月後にお母さまもお父様の元へ。
二人の死を経て感じた喪失は想像を超えたものだったのではないかと思います。
そしてその頃、運命ともいえる出会いをしたのが、「エンドオブライフ・ケア」という言葉だったと言います。
超高齢少子多死社会であっても、住み慣れた地域で人生の最後まで穏やかに暮らせるように。
医療や介護などの専門職の方が、苦しむ家族の力になれない、と、自信を喪失することがないように。
看取りにかかわる際に抱える必要のない苦しみを抱くことがないように。
そんなお気持ちで取組みを進められています。
番組の中では、
・エンドオブライフ・ケアという概念について
・協会としての具体的な取組み内容
例:専門職向けの研修会のこと
オンラインでの学びのコミュニティづくり
親の介護に直面する40代~50代のビジネスパーソン向け研修
・千田さんご自身のライフヒストリー
などについて、語って頂きました。
研修会は全国6都市で開催、既に2,200人の専門職の方が受講されているとのことでした。
凄いことだと思います。
—
番組の中で私が感じたことは、千田さんが仰っていた、「自分が自分でなくなっていくこと」や、「役割を失う辛さ・悲しみ」は、終末期の、高齢者に関することだけではないのだな、ということです。
例えば、退職・離職。望まない配置転換。
事故や病気で体の一部の機能を一時的に、あるいは永遠に失うこと。
災害など、想像もしなかった災厄によって、暮らしの変化に直面せざるを得なくなった時。
スポーツ選手やアーティストが第一線を退くと決めた時。
妊娠や出産を機に、一時的にフロントラインから退くことを求められた時。
あるいは育児や介護で自分の時間を100%コントロール出来なくなった時。
いろんな人生の局面で、実は多くの人が「役割の喪失」や「自分が自分でなくなってしまう悲しみや苛立ち」、「変化への恐怖」を体験しているのかもしれません。
人を恨む気持ちや、どうして自分だけが、と悲観的になることもあるのでしょう。
そんな時、当時者の気持ちを100%理解することは不可能、だけれども、相手が理想(=こうであったはずの自分)と、現実の自分とのギャップに苦しんでいることを理解すること。
全てを解決できないことを前提としながら、その事実の上で、どうしたら相手がより良く、より彼/彼女らしく暮らせるのか共に考えること。
エンドオブライフ・ケア協会が取り組まれていることは、少し視点を広げて見ると、そういうことなのではないかなと感じました。
—
そんなエンドオブライフケア協会さん、1月29日~2月4日まで、ソーシャルウェアブランドのJAMINNさんで期間限定のチャリティTシャツを販売されるそうです。
JAMINNさんについては以前もこのブログで紹介しましたが、購入された金額の一部が、団体への寄付に活用される仕組みです。
住み慣れた街で、人生の最後まで穏やかに暮らせる社会をつくるために。
エンドオブライフ・ケア協会さんのお取組み、この先も注目していきたいと思います。
番組の内容は、以下からストリーミング配信でお聞きいただくことが出来ます。
みなさまどうぞ、お聞きください!
パーソナリティ:株式会社 風とつばさ 水谷衣里
ゲスト出演 :エンドオブライフ・ケア協会 千田恵子さん