伴走支援は、生態系の循環と増幅に繋がる。キラ星部門、3年でわかったこと。
キラ星応援コミュニティ部門、最終審査会、終了しました。
今回の審査会では、合計6団体がプレゼン、結果、初年度3組、継続
2件が採択されました。
採択団体の皆さま、おめでとうございます!
さてさて、今回の審査会で私が感じたこと、それは「伴走支援は、生態系の循環と増幅
に繋がるんだ」ってことです。
では今回自分がそう思えた3つの要因を解説。
〈審査会場から見た多摩川と空〉
【その前に前提】
キラ星応援コミュニティ部門の価値の源泉は、メンターによる伴走支援。
文字通り、「世田谷で、キラリと光る団体を育てる」こと、そして「そのキラ星を応援したい、応援しよう」というコミュニティを作ることを目指しています。
同時に、キラ星は、「自分が光る」だけではなく、「その光で周りも照らす」ことを目指しています。
つまり、「自分だけが良くなる」のではなく、「コミュニティ全体」が良くなっていくことを目標にしているわけです。
で、本題の3つの要因。
それは、
◆”サポートする-される”立場の入れ替わりが産まれたと感じられたこと
◆「覚悟の深まり」や「凄み」を感じる場面に遭遇したこと
◆「他者から応援されている」からこその心地良い緊張感を感じたこと
に集約できます。
◆1:”サポートする-される”立場の入れ替わりが産まれたと感じられたこと
今回採択された6つの団体。1次審査から最終審査会までの
3ヶ月間、20人を超えるメンターが活動してくれました。
この中には、「去年まで“支援される側“だった助成先」の代表者や、「過去の最終選考会のファイナリスト」が含まれています。
このことは、キラ星部門にとってはとても誇らしいこと。
それは、「支援の循環」が産まれているということだからです。まさに生態系。
◆2:「覚悟の深まり」や「凄み」を感じる場面に遭遇したこと
2年目の助成先については、2団体ともプレゼンから「覚悟の深まり」や「凄み」を感じました。
世田谷まちづくりファンドは複数のプログラムがありますが、2団体は双方ともこの複数のプログラムを使いこなして成長されています。
団体と複数年に亘って付き合うからこそわかる、成長や覚悟の深まり、深化。そしてそこからは常識を変えていくぞ、という「凄み」すら感じます。
複数年だからこそ、そしてローカルに根を張っているからこその強みだと感じました。
◆3:「他者から応援されている」からこその心地良い緊張感を感じたこと
公益信託世田谷まちづくりファンドは、全国で初めて、「公開審査会形式」を採りました。25年も前の話です。
この「公開審査方式」は、もちろんキラ星部門も踏襲しています。
そして、この公開審査会形式は、心地良い緊張感を産みます。
と、ここまでだと、助成額上限50万円の、通常部門も変わりません。
しかし、キラ星にはその緊張感を超える何かがあると感じました。
それは、「伴走支援型」であるからこその、緊張感です。
公開審査会には、審査する側である運営委員の他に、メンターも観客席に座っています。
そして、団体のプレゼンを、間近で聞いている。
その事が、きっとキラ星部門のコミュニティに、心地良い緊張感を産んでいるのではないかと思うのです。
「応援されている」と思うから頑張れる。
これは、いつの時代も、どんな人でも、同じこと。
期待に応えようとするからこそ、心地良い緊張感が産まれる。それが3ヶ月という短期間での成長に結びついたんだろうなぁと感じました。
〈今年度の採択結果〉
キラ星の伴走支援は、共感を軸に、人が人を支援する仕組みです。
ボランタリーな意思に支えられた仕組みでもあります。
これには当然限界もあります。例えば力量が偶然に左右されること、ミスマッチのリスクを完全にはコントロールできないこと、など。(なのでキラ星部門は、メンターのマッチングの最終意思決定は運営チームが負うことにしています。)
次のステージに上がる上での事業支援ははっきり言ってまだ全く踏み込めていない。
これはプログラムを描く側が次のステージに行ってからだと思っているし、その時にはまったく違う力量の人材を、全く違う形で生態系にお誘いしていかなければと話しています。
でも、こうやって伴走支援のプログラムを具体的に動かしてみたことで、生態系の増幅を肌で感じることができました。
まずこのミニマムの形で、一つの型を作れたこと、生態系の増幅を実感出来たことを、素直に喜びたいと思います。
人が、人を応援することの力を感じた、そんな審査会でした。