「成果志向の補助金・助成金」のために。助成する側の皆さんと共に考えた3時間。
「成果志向の補助金・助成金推進会議inあいち」 本年度最初の会合に参加させて頂きました。
■「成果志向の補助金・助成金推進会議inあいち」とは?
まずは推進会議のご紹介から。
・対象エリア
愛知県内
・参加している人
NPOに補助・助成などの資金支援と、伴走支援やコンサルティングなどの非資金支援の両方を行う組織の担当者
・目的
上記の皆さんが、より良い資金・非資金支援を行うために、学び交流すること
です。
つまり、
『日々NPOの支援に試行錯誤をしている人が集まって、より良い支援をするにはどうしたらいいか(ここで言うより良い支援とは、成果志向の支援を指します)考える機会を提供する場 』だと私は捉えています。
2016年度の第1回会合、テーマは
「日本&世界の社会的インパクト評価の最新動向」
ということで、
内閣府の岡本直樹参事官(共助社会づくり推進担当)と共に、ゲストとしてお話しさせて頂きました。
ファシリテーターはあいちコミュニティ財団代表の木村さん。今週ご一緒するのは2回目です。
ちなみにこのネットワークに関連しては、発足記念フォーラムの際にも登壇させて頂きました。
その様子はこちらの冊子にも掲載されています。
http://aichi-community.jp/news/14675
その時にお話しした、成果志向を阻害する要因。
それは
1.到達目標に対するグリップの甘さ
2.振り返りや評価に対する双方の意識の甘さ
3.単純な力量不足・リソース不足
の3つでした。
〈過去のプレゼン資料。参照先はこちら〉
それから半年経って、海外動向を調べたり報告会を開催したり、Social Impact Dayを通じて海外ゲストや日本でのトライを改めて聞いたり、コーディネーター務めたり。
そんな中で、やっぱり上の3つは大きな阻害要因だなと改めて感じているわけです。
そしてその負のサイクルをひっくり返すためには、ウルトラCも万能薬もなく、ひとつひとつクリアするしかない、ということもその時感じたこと。
会議で出た意見としては、例えば
1. 成果志向になりたいけれど、具体的にどんなアクションをしたらいいかわからない。
2. 支援できる力量を持つ人がいない
3. 小規模助成の場合はどうしたらいい?
4. 助成プログラムそのものの改善とどう繋げたらいいかわからない
などなど。
1. 成果志向になりたいけれど、具体的にどんなアクションをしたらいいかわからない。
については、自分たちが関わった委託調査の報告書の中にもいくつか事例が紹介されていますし、何よりあいちコミュニティ財団が今手探りでやろうとしていることが参考になるのでは(そして地理的にも近いから真似をしたり相談したりしたら良いのでは)と思う。 詳細は1つ前の
こちらの記事をお読み下さい。
2. 支援できる力量を持つ人がいない
については、確かにその通りで、現場の団体と共に支援側の力量形成を同時並行でしていかなければいけないね、と。(そして会議の場では、岡本参事官から、内閣府さんが今年度トライされているグッドプラクティスづくりや、社会的インパクト評価イニシアチブを中心に取組まれようとしているツールづくりなど、既に始まっているトライのご紹介も少し。)
3. 小規模助成の場合はどうしたらいい?
については、振りかぶった社会的インパクト評価をするよりもむしろ、いまあるアプリケーションの漸進的な修正や、審査する側のマインドセット(惰性や希望的観測で審査をしない)、公開審査会のようにコミュニケーションする機会があるのであれば、その場のクオリティをどう上げるか、といったことに注力するのがまずは良いのではないかと思っています。
4. 助成プログラムそのものの改善とどう繋げたらいいかわからない
については、いろいろ思うところがありまして。
昨日は「推進会議」という場の特性上、多くの補助金・助成金の直接の担当者の方が集まっていらっしゃいました。
お話をしていて思ったこと。
結局、ある助成プログラムをつくる側が、そのプログラムによって、どんな未来を実現したいのか。それが軸となって定まっていなければ、事前評価も事後評価も審査も、団体とのコミュニケーションは成立しないよな、ということ。
だから助成する側は、プログラムにちゃんと魂を込めないといけないな、と。
自分も多くの助成金の審査役やプログラムづくりを担わせて頂いていますので、人ごとではなく、自分ごととして。改めて、そう思いました。
そして、自分たちがキラ星応援コミュニティ部門で始めたように、
「全ての助成金を一度に変える」のではなくて、例えば伴走支援や、例えば成果指標立てや、そういった新しいトライを一部の部門に導入する、といった試行も良いんじゃないかなと。
地域に劇薬を持ち込むのが難しい場合ってやっぱりあると思います。
そうであればまずは良い例を少しずつつくり、少しずつ変えていく。そういう戦術もあるかな、なんて。
そんなことを思いました。
(もうひとつ、余計なことかなと思いながらも、「プロボノはコミュニティを育てる気がないのなら、取組まない方がいいと思う、ということも発言しました。これはまた後日まとめて書きたいと思います。)
〈最後はひと言コメントとシェアリングの時間〉
■過去記事もぜひご一緒に。
発足記念に関連して書いた記事はこちら。併せてお読みください。
NPOやソーシャルビジネスが成果志向になるために (前編:成果志向を阻害する要因)
http://blog.livedoor.jp/mizutanieri/archives/2922611.html
NPOやソーシャルビジネスが成果志向になるために (後編:負のサイクルをどうひっくり返すか)
http://blog.livedoor.jp/mizutanieri/archives/cat_130564.html〜p=2
あ、そうそう。
終わった後は楽しく懇親会も!
超コスパ良く美味しいイタリアンでかんぱーい!
終わった後も、楽しい意見交換の時間でした!