プロボノと伴走する時に気を付けたい3つのこと。

プロボノ、って言葉。だいぶ知名度が上がりましたよね。

専門性の発揮がポイントと言われています。

私が関わっている世田谷まちづくりファンド「キラ星応援コミュニティ部門」も、また会社の社会貢献プログラム「ソーシャルビジネス支援プログラム」も、 プロボノの皆さんが助成先・支援先に伴走する、そんなプログラムです。 




プロボノって、要するに専門性をもったボランティアなわけです。 

その多くは、本業があって、限られたリソースで団体に関わる。

だからこそ、団体側はその前提を理解しながら、どう上手く、プロボノとの関係を構築するか、知恵が必要だと感じています。

ということで、今日のテーマは「プロボノと伴走する時に、気を付けたい3つのこと」

キラ星で考えたことを中心に、順番に自分の考えを書いてみたいと思います。


 

<キラ星部門のキックオフ。みんなの疑問質問とフィードバックした内容がホワイトボードいっぱいに。>

ポイントは3つ。

■ポイント1:まずは現場に来てもらう、もしくはビジュアルで伝える

NPOの皆さんが活動する日々の現場。

団体にとっては当たり前でも、例えば普段会社勤めをしている側からすれば、全く想像がつかないわけです。

例えば、重症心身障がい児を支援している「ふれ愛名古屋」さん。

実際のデイの現場を訪問したプロボノメンバーからは、重心障がいを持つ子供たちと遊んで本当に楽しかったという声や、ふれ愛名古屋さんが取り組んでいることの大切さが実感出来た、という声を聞きました。

例えば「世田谷水辺デザインネットワーク」さん 。

多摩川の河辺で活動している団体なわけですが、河川敷で “原っぱギャザリング”を定期的に開催しています。そしてギャザリングに参加して、活動している”水辺空間”を体感するだけで、何をやりたい団体なのか、よりリアルに想像できる。 

そうすると、伴走する側も発言にリアリティが増しますし、何よりコミットが上がるケースが多い。

活動の現場が遠かったら、写真1枚でもいい。
スマートフォンで撮った動画をシェアするだけでもいいと思う。


まずは相手がイメージを掴めるよう、ほんのちょっとの知恵を絞り工夫すること。

相手がNPOの経験者や専門家ではないからこその、大事な第1歩だと思います。



<原っぱギャザリング。カオスな感じがいいいところ。>




<多摩川河川敷に登場した手作りの井戸。「のめません」の文字がステキ笑>

■ポイント2:相手の背景とツボを探る

プロボノってことは、自分たちの活動領域に詳しくない可能性が高いわけです。

そしてソーシャルビジネスに詳しい可能性は低い。

だからこそ、相手の得意は何なのか、掘り下げて理解することが大切だと思います。そして相手が何に共感し、自分たちに関わろうとしているのか、できるだけ理解するように努めること。


支援する側とされる側が、共通の理解に至るまでには、普通に考えて数回のMTGは必須だと思います。

でもこの段階で信頼関係が築ければ、同じ目標を目指すことも容易になると思う。

相手が持っているリソースを、どう引き出すか。

チームアップの際のマッチングの大切さ(適切な人を適切な人と繋ぐことの大切さ)も痛切に感じるけれど、(そしてそういう、プロボノプログラムを運営する側に求められる力量についても、自戒を込めてそのうち改めて考えてみたいけれど)

何かの偶然で出会った目の前の人の力を最大限に引き出し、巻きこむためには、相手の背景や関心・共感のツボを知ること、とても大切だと思うのです。


 


<考えて、共有して、決意表明するから身体が動く>

■ポイント3:相談の前にちょっとでいいからアクションすること

相談するときに避けたいのは、何もアクションをせずに、ミーティングの場を持つこと。

もちろん、「どうしていいかわからない状態」だから支援が必要っていう局面もあると思います。

関係性を築く最初の段階では、それもいいかもしれない。

あるいは迷いに迷った末の、踊り場の段階では。

だから、あくまで一般論ではあるのですが、でも見てるとやっぱり、

「小さくてもいいから何らかのアクションをして、その後相談する」ことの方が、成長スピードが速いように思う。


1人でも2人でもいいから、今まで活動に関わった人にインタビューしてメモをまとめてみるとか。

稚拙でもいいから、手書きでもいいから、ホワイトボードの写真でもいいから、やりたいことを書きだしてみるとか。

そういうことでも構わないと思う。

頼るのとよりかかるのは違うから。

 

別の仕事を持っているなど、時間の制約があることが多い、プロボノと関わるからこそ、気を付けたいポイントだなと思います。


—–

もちろん、そんなことは露知らず、台風の眼のように色んな人を巻き込みぐんぐん成長する、エネルギー溢れる団体が世の中には存在するってことも知っていて。

そしてそういう勢いある団体、とても素敵だと思います。勢いに圧倒される感じ。大変だけどそれはそれでとても心地良い。

でも人と人とが関わることだから、良い関係を気付き、互いに成長するためには、こんなポイントがあるのではないかな、と思った次第です。

同時に強く思うのは、団体の皆さんは、プロボノのやりたい事に、無理に自分たちを合わせる必要はない、ということ。関わって貰ってるんだから、って無理するの本末転倒。そして自分たちの活動にとって、助けが必要なタイミングがいつなのか、冷静に考えることも大切かなと思います。

さてさて、最後に告知。

シンクタンクが取り組む社会貢献活動、
『ソーシャルビジネス支援プログラム』は2016年度支援先団体の募集を行なっていますよ。
http://www.murc.jp/uploads/2016/03/social_business_pamph.pdf



4年目になるプログラム、過去の支援先ではちゃーんと力量つけて、成果発信してくれているところも出てきました。

小さな小さな取り組みですが、大事に育てています。
過去の支援先の活動も聞ける貴重な機会、セミナーも開催予定です。

4/5(火 )東京・神谷町
プロボノの活かし方を考えるってことは、自分たちに必要なリソースは何か、捉え直すことだと思っています。

宜しければぜひぜひ、ご参加下さいませ。
2016年03月23日 | Posted in 過去ブログからの移行記事(2017年3月以前) | | Comments Closed 

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