コミュニティ財団とコレクティブインパクト(2017年度第1回集合研修)
◆コレクティブインパクトとコミュニティ財団
- 異なるセクターが連携・協働する
- その際に共通のゴールを掲げる
- 評価指標を共有する
というコレクティブインパクトのあり方が、『今までの課題解決に“足りなかった”と思われる要素を補完している』と、真剣に課題解決に向き合い、現場レベルで活動している人ほど、肌感覚で感じているから、という点があるように思います。
逆に言えば、こうした要素(正確には、下記写真の5つが存在します)が含まれていないものを、コレクティブインパクトの例だと示してしまうことの弊害もあるように思います。せっかく期待されて登場している用語だからこそ、共通理解を大切にしたい概念だと深く感じるからです。
コレクティブインパクトの5つの要素についてはこちら。新潟で昨年度講演させて頂いた際の記事に掲載したスライドです。
さてさて、コミュニティ財団は、コレクティブインパクトの創出に、何が果たせるか。
これについては、昨年度の振り返りも兼ねて、別の媒体に改めて記載したいと考えていますが、せっかく研修会で頭を動かしたのでごくごく簡単な備忘まで、考えをまとめてみたいと思います。
◆Backborn Organizationとしての役割
コレクティブインパクトの創出には、バックボーン・オーガニゼーションが必要だと言われています。FSGが提唱する5つの要素のうちの、5つ目ですね。
これは、コミュニティ財団のような、インターミディアリである場合もありますし、現場団体が担うこともあります。昨年度の経験から、バックボーン・オーガニゼーションとして大切なの資質は、
- 取り組む課題の問題構造を把握する力があること
- 目標設定とプロセス管理をする力があること(KPI設定とそれに立脚した質的量的評価を含む)
- 課題解決に必要な資源が何か判断し、その力を連れてくるグリップ力があること(自分で提供するか、他者の提供を促すかは場合による)
ではないかなと感じています。
で、これって結局、これからのコミュニティ財団に必要なスキルそのものなのではないかなあ、、、と。
昨年度は問題構造分析を徹底的に行うことを意識していた(そこに大変な時間を割いた)と考えているのですが、そうした経験を踏まえて、具体をどう作っていくか。
今、別のお仕事を通じて、KPI設定とロジックモデルとの相関関係やその意義を強く、感じているのですが、コミュニティ財団にとっての一つ目のハードルは明らかにここにあるなあと。
問題構造が分析できたとして、仲間内ではない、他主体との継続的なコミュニケーションを実りあるものにするためには、やはりゴール設定と到達度確認、フィードバックと改善が必要だと痛感しており。
その能力形成ができるかどうかが、コレクティブインパクト創出にあたって、非常に大きなカギになると感じているわけです。
ここをどう超えていくのか、自分ごととして、引き続き考えていきたいと思います。
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・・・ちなみに。
コミュニティ財団協会の屋台骨を支えて下さっている岡山NPOセンター&みんなでつくる財団の石原さんがお誕生日だったということで。皆さんでお祝いを。
下の写真は、日本ファンドレイジング協会鵜尾さんのインタビューを撮影する石原さん。ほんとうに屋台骨支える役をいつもして下さっているなあ、と後ろからこっそりw写真を撮影しながら思いました。
石原さん、いつもありがとうございます!おめでとうございます!
ということで、実りある京都出張でした。
世田谷チームでも頑張りたいと思います。